首都アブダビで世界記憶遺産の審議に臨むユネスコ国際諮問委員会の委員ら=2015年10月5日、アラブ首長国連邦(共同)【拡大】
登録へのプロセスが透明性に欠ける要因は、世界遺産や無形文化遺産との成り立ちの違いにある。この他の2つと異なり、根拠となる国際条約がなく、政府に限らず自治体や団体、個人でも登録を申請できる。審査も他の2つが条約締約国の代表によって議論されるのに対し、記憶遺産の場合は事務局長が選んだ専門家によって行われる。
文部科学省幹部は「手続きが簡略で、運営態勢も小規模。真正性や重要性がどのように調査されているかうかがい知れない。枠組みを改善すべきだという議論も必要になるかもしれない」と話している。(SANKEI EXPRESS)
■世界記憶遺産 歴史的な文書や絵画、映像フィルムなどを保護し、広く公開することを目的に、1992年にユネスコが始めた事業。世界文化遺産や無形文化遺産と異なり、国際条約に基づかず、個人や団体でも申請できる。登録済みの遺産は301件(2014年1月時点)。国内では福岡県田川市などが申請した「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」、政府が申請した「御堂関白記(みどうかんぱくき)」「慶長遣欧使節関係資料」の3件が登録されている。