しかし3歳以上入場可と具体的に明記されると迫力が違う。それに私は3歳ですという身分証明書のようなものは存在しないわけで、3歳未満の子どもも紛れ込むことは必至である。そして案の定幕が開ければ、明らかに小さ過ぎる観客とすれ違いまくる。今回も公開稽古で1歳から6歳くらいまでの子を劇場に入れていたので、むしろわかるのだ。あの子は絶対3歳じゃない。
副題があることの意味
そんな心配をよそに、芝居はみるみる良い方向へと進んで行く。客席後方で客席と舞台とを見つめながら、井上ひさしさんの『十一ぴきのネコ』はこうでなくてはならんのだと痛感する。大笑いしちゃったり泣き出しちゃったり話し出しちゃったり突っ込んじゃったり、トイレに行きたくなったり飽きちゃったりおなか空いちゃったり別のことに気を取られちゃったり、さまざまあるけれどこれが不思議とどうにか進む。さっきまでぐずっていた子が歌になると手拍子したり、にゃん十一の冗談に大笑いしたり、劇はむしろスリリングに進むのだ。