性格の悪さがにじみ出てるよ。と、よく言われる。
どうしてそんなに性格が悪いの? とも、しばしば聞かれる。
そのたび、私はなんのことを言われているのか分からなくって、「ヘッ」と驚いてしまう。今、自分、何か変なこと言っただろうか。嫌なこと、しただろうか。思い返してみるが、心当たりがない。私、今、普通にしていただけなのに。
それで、「なんのこと?」と馬鹿正直に聞いてみる。教えてもらってみると、「アー。なるほど」ということばかり。そーか、あそこであんなこと言うの、変なんだ。普通はあんなこと、しないんだ。つまり、自覚がないのである。
つい最近も、こういうことがあったばかりだ。
その日、ぽっとできた休みの日を使って、私たちは朝から山に出掛けることになっていた。最近、家にこもってずっと机に向かっていた私が、「広くて大きなものを見たい」と言い出して、急遽(きゅうきょ)、前日に計画が立てられたのだ。その中に、一人キャンプに詳しい友人がいて、当日は彼の指示通り、教えてもらった住所に各自向かう、という流れであった。