その一言で車内一変
私たちの車は、途中で姪(めい)っ子甥(おい)っ子をそれぞれ拾うことになっていた。スーパーに寄って買い出しなども済ませてバタバタし、時計を見ると、もう十一時近い。
「あれっ。待ち合わせ何時なの?」
私が聞くと、
「十時。」と答えが返って来る。
慌てて先に向かっている友人に電話をかけ、到着が一時間半ほど遅れると伝えると、「さっき、××さんたちからも電話があって、ちょうど同じくらいになりそうだって」とスピーカーの向こうで、友人が言う。
「そうなんだ。ちなみに、今日何時に到着したの?」
「九時頃かな。」
ということは、彼は広いキャンプ場に、三時間も一人でぽつんとすることになるのである。その瞬間、頭の中に、膝を抱えて山を見つめる彼の姿がパッと浮かんで、私は思わず、
「エーッ。そんな早くから一人で何してるの?」と、ウキウキしながら聞いてしまった。