子どもたちは素直に野良猫たちの大きな魚を求める旅を楽しみ、70年代の時事ネタにぽかんとし、要所要所にまぶされている毒には笑ったり怖がったり声を失ったり泣き出したり付添いに小声で質問したりしながら座っている(たまに立つが)。そして付添いは、そんな子どもたちの様子にハラハラしたり冷や冷やしたり笑ったりたしなめたりそっと注意したりそんなことスッカリ忘れて芝居に没頭したり思い出したりしながら座っている。いつもだったら何処か斜に構えて眺めているであろう人も、ついつい子どもの純粋にあおられて、想像力の翼を広げ、一緒になって野良猫と旅をしちゃったりしている。そして子どもたちとともにいるがゆえにじわじわとわかりはじめてゆく。段々心に染みてゆき、最後にくっきりとするのだ。なぜこの劇に「子どもとその付添いのためのミュージカル」という文言がついているのかということが。