マミーボード(ミイラにかぶせられた木製の蓋)部分エジプト第3中間期(1080~664Bマミーボード(ミイラにかぶせられた木製の蓋)部分_エジプト第3中間期(1080~664BC、提供写真)。(C)Fondation_Gandur_pour_l’Art,Geneva,Switzerland.Photographer:Ssdra_Poinetet【拡大】
第2章のテーマ「素材」も、それぞれ“魔術”を持っている。神々の肉体は黄金で、その骨は白銀でそれぞれできていると信じられていた。黄金でつくられたアクセサリーを身に着けることは、神性を備えることだった。また、強固な石は永続性や永久不変を表す。植物は神聖で生命力の象徴と考えられたが、中でもパピルスは、「紙」のほかにも籠やサンダル、小舟などの材料に使われ、特別な存在だった。
再生や復活の願い込め
パピルスなどに書かれた「死者の書」は、死者が「永遠の生」を手にするまでのプロセスを示す。「呪文125のビネット、通称『死者の書』より」では、中央にてんびんが描かれている。片方の皿には死者の心臓が、もう一方の皿には「真実の羽根」が載せられ、「罪の有無」が測られる。
色彩にも魔術が込められた。ナイル川や若草を示す青や緑は再生、復活などを、太陽や黄金を表す赤や黄色は神性を、白は純潔や潔白を、ナイルの氾濫でもたらされる泥の黒は豊穣(ほうじょう)や生まれ変わりを、それぞれ表した。ただ、赤は血や死、黒は空虚や深淵(しんえん)も象徴した。