大量のゴミがあふれる処分所。分別はゴミの減量につながる=2011年10月3日、兵庫県淡路市(岡野祐己撮影)【拡大】
防犯カメラとの類似性
収集者の安全性といったことも勘案したうえで、開封を容認するべきなのか、それともプライバシー保護を優先すべきなのか。この問題は、防犯カメラ(監視カメラ)の社会的位置づけを例にして考えると理解しやすい。
大阪寝屋川市で起きた男女中学生の殺害事件を例に挙げるまでもなく、防犯カメラの映像は、容疑者の逮捕に大きな効力を発揮する。同時に防犯カメラは私たちの日常生活をいつでもどこでも無断で写し撮っている。エレベーター、銀行のATM、コンビニの駐車場などには必ず設置されている。
防犯カメラは、犯罪を抑制する一定の効果を持つだろうが、中学生が深夜に徘徊(はいかい)することを許す、社会環境までは改善できない。
ゴミの分別の義務化とゴミ袋開封の問題は、資源再利用とゴミの削減という社会的必要性・有用性と、プライバシーの侵害との兼ね合いだけで議論するべきではない。ゴミが大量に出る私たちの社会そのものをチェックすることが、それ以上の重要性を持っている。(同志社大学名誉教授 メディア・情報学者 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS)