防振ゴム製品の性能データ改竄(かいざん)について、記者会見する東洋ゴム工業の高木康史常務執行役員(右)ら=2015年10月14日午後、大阪市(門井聡撮影)【拡大】
≪信頼性アピール直後に発覚≫
東洋ゴム工業は、免震ゴムの不正問題から信頼回復を誓って再出発した直後、再び別の不正が発覚した。再三の不祥事に信用失墜は避けられない状況で、企業風土の改革の難しさを示した。
防振ゴムの不正に関する第一報があったのは、免震ゴム問題の再発防止の取り組みを8月10日に発表した10日後だった。信頼性をアピールした直後の不正発覚に「結果として(10日の発表が)拙速だったと言われても仕方がない」と、高木康史常務執行役員は険しい表情で話した。免震ゴムの不正では、閉鎖的な企業体質を問題視する指摘が出ていた。高木氏は社内監査の不備と対応の遅さを認め、「法令順守の体質がまだまだ発展途上だ」と肩を落とした。
免震ゴムの交換などの費用が膨らみ、東洋ゴムは2015年6月中間連結決算で計304億円を特別損失に計上した。さらに、免震装置を使ってマンションを建設していた業者による損害賠償請求の訴訟も起きている。