防振ゴム製品の性能データ改竄(かいざん)について、記者会見する東洋ゴム工業の高木康史常務執行役員(右)ら=2015年10月14日午後、大阪市(門井聡撮影)【拡大】
免震ゴム問題を調査した外部の弁護士は報告書で、07年に起きた防火用断熱パネルの性能偽装も踏まえ、「3回目の不祥事を起こしたら、会社の存続は危うい」と総括していた。相次ぐ不祥事に信頼回復の道筋は見えず、影響の拡大に不透明感が増している。
≪「鉄道にも飛び火」 JRなど困惑≫
車両の一部に東洋ゴム工業の防振ゴムを使用している可能性が判明した鉄道各社には14日、困惑が広がった。「建物の免震装置ゴムに続き、まさか鉄道にも飛び火するとは」。車両は部品の数が多く、すぐには使用を確認できない鉄道会社も。相次ぐ不正発覚に驚きや落胆の声が上がった。
不正があった防振ゴムの使用が判明したJR西日本に、東洋ゴムから連絡があったのは約1週間前。担当者は事実関係や取り付け車両の確認に追われた。防振ゴムは車両の乗り心地を向上させるなどの目的で付けられ、担当者は「現段階では取り換え工事は予定していない」と説明。定期検査で重点的に調べる方針という。同じく使用が発覚したJR東海も「安全性には問題ない」と説明した。