防振ゴム製品の性能データ改竄(かいざん)について、記者会見する東洋ゴム工業の高木康史常務執行役員(右)ら=2015年10月14日午後、大阪市(門井聡撮影)【拡大】
「実態の把握には時間がかかりそうだ」。ある私鉄関係者からはため息が漏れた。JR東日本や阪急電鉄は東洋ゴム製の防振ゴムの使用を確認したが、不正があった製品に該当するか確認中。JR北海道やJR四国、JR九州、近畿日本鉄道なども使用していないか確認を急いでいる。
名古屋鉄道や京阪電気鉄道、南海電気鉄道、阪神電気鉄道は、東洋ゴムの防振ゴムを使用していないという。(SANKEI EXPRESS)
■防振ゴム エンジンやモーターといった機械の運転に伴う振動を和らげ、他の部分に揺れや衝撃が伝わるのを防ぐ装置。騒音抑制の役目もある。円柱状のゴムを金属板で挟んだ形の製品が多く流通しており、船や自動車、電車、産業機械の駆動部などに取り付けて使う。振動が伝わるとゴムが変形して揺れを吸収、緩衝する。走行時の揺れを抑えるため鉄道車両の台車に用いる場合もある。製品出荷前には、納入先との契約に基づき性能を検査するのが一般的。用途により、国の認証制度による手続きが必要となる場合もある。