意志の強さに引かれ
《1939年11月8日、ヒトラーはミュンヘンのビアホールで演説に臨んだが、どういう風の吹き回しか早めに切り上げ、会場を後にした。そのわずか13分後、ホール内に仕掛けられていた時限爆弾が爆発し、多くの死傷者が出た。ゲシュタポ(秘密警察)は田舎に暮らす家具職人、エルザー(クリスティアン・フリーデル)を拘束した。組織的関与を疑うヒトラーはエルザーの人生を徹底的に洗い出すよう命じたが、エルザー単独による犯行だったことが濃厚となり…》
ヒルシュビーゲル監督が実在の人物、エルザーに着目したのは、不器用ながらも、説得力のある、力強い、彼の生き方への共感によるところが大きい。「どんなリスクを伴ったとしても、自分の信じるところを最後まで貫き通す-。そんなエルザーの信念、意志の強さにすごく引かれました。それが映画化した一番の理由でもあります。また、その信念がどういう結果をもたらしたのかにも興味を持ちました」。映画化のきっかけをそう語った。