ホワイトハウスで、2016年末までに予定していたアフガニスタン駐留米軍の完全撤退を断念したことを発表するバラク・オバマ米大統領。右はジョー・バイデン副大統領、左はアシュトン・カーター国防長官、左端はジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長=2015年10月15日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
しかし、イラクやシリアでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の台頭、アフガンでのイスラム原理主義勢力タリバンの攻勢は米軍撤収による「力の空白」が現地部隊ではなく敵対勢力に埋められていることの証左となった。
次期大統領に負の遺産
オバマ氏はシリアの穏健な反体制派勢力を訓練してイスラム国と戦わせる計画を「機能していない」と認め、武器と弾薬を直接供与する方針に転換したばかり。オバマ氏がアフガン完全撤収を断念したことで、2つの戦争の「負の遺産」は次期大統領に引き継がれることになる。
次期大統領選の複数の共和党候補が「オバマ氏は現実を認識した」(ヒューレット・パッカード元最高経営責任者、カーリー・フィオリーナ氏)などと撤収計画の見直しを「歓迎」した。世界における米軍の役割を重視するマルコ・ルビオ上院議員(44)も15日、声明で決定を歓迎する一方で、オバマ氏が退任後の駐留規模を5500人としたことを「駐留規模は戦地の状況で決めるべきだ」と批判。退任まで少なくとも現状の約9800人を維持するよう求めた。(ワシントン 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)