審査初日に手土産
アラブ首長国連邦のアブダビ市内で4日から開かれた国際諮問委員会(IAC)の審査初日。中国側関係者が委員らに親しげに話しかけながら、中国からの土産を手渡していた。
中国側関係者には中国中央档案館(資料館)の李明華副館長や南京大虐殺記念館の朱成山館長らの姿もあった。IAC委員と「かなり親密な様子だった」(日本側関係者)と話す。
中国は昨年3月末までに「南京大虐殺文書」と「慰安婦関連資料」の登録を申請。以来、IACの下部組織の地域委員会や、IACに大きな影響力を持つ登録小委員会に「相当な攻勢をかけていた」(日本政府関係者)という。
日本側は世界文化遺産の対応に追われていたため、記憶遺産に本腰を入れたのは今年7月ごろだった。記憶遺産に詳しい人物から助言を得てユネスコ関係者に中国の申請案件に関する説明を続け、一時は「圧勝モードだった中国とほぼ互角になった」(別の関係者)という。
危機感を持った中国は、記憶遺産担当代表団の一人を解任して10月のIACの審査に臨んだ。日本側関係者は「中国側で高度な政治判断が働いたようだ」と指摘する。