実際、IACの審査では、小委員会が「南京」の登録を勧告したにもかかわらず委員の議論は真っ二つに割れた。事態を収拾するため採用されたのは多数決。だが、僅差で「南京」の登録が確定した。土壇場で鍵を握ったのは、中国側の思惑が反映された小委員会報告書だったという。
事務局長が配慮も
6日に結果を伝えられたユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は翌日、パリで会った松浦晃一郎前事務局長に、プロセスに「透明性がない」と漏らした。
その後、ボコバ氏は中国の張秀琴・ユネスコ大使を介して、中国政府に日本側と対話を持つよう要請。中国外務省幹部と木寺昌人駐中国大使の対話が実現した。
この直接対話の行方を見極めるため、ボコバ氏は登録結果の発表を現地時間の9日午後(日本時間10日未明)まで遅らせた。
日本側は土壇場でボコバ氏から配慮を引き出したものの、結果は覆せなかった。日本政府関係者は「すべてが遅すぎた」と、中国の前に後手に回ったことを悔やんだ。(SANKEI EXPRESS)