客席と時間を共有
自作では社会派の側面を見せる。主催する劇団「DULL-COLORED POP」が今夏に上演した「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」では高齢者問題を扱った。「演劇は頭と創造力を使って見るもので、深く物事を考えるのに向いている。劇場で舞台と客席が同じ時間を共有して、いろいろな思いをめぐらす。時間をかけて取り組むに足る内容は、結果的に社会とつながっていく」
今後、深掘りしたいテーマは「人工知能」と「酒」だという。「歴史が長く、自分にとっても敵なのか味方なのか分からない『酒』とは一体何か。興味ありますね」
将来は地方の公共劇場などの芸術監督となり、腰を据えて演劇を作ってゆくという希望を持つ。上質な作品を発信し、演劇界とファンの裾野を広げてゆきたいという思いからだ。「日本の演劇界は常に新作が求められる、世界でも珍しい業界で疲弊している演劇人は多い。腰を据えて一つの作品に取り組みたい」(藤沢志穂子、写真も/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■舞台「従軍中のウィトゲンシュタインが、(略)」 10月27日まで、東京・こまばアゴラ劇場。問い合わせはゴーチ・ブラザーズ(電)03・6809・7125。