モントリオール映画祭での仏語のスピーチに「今までで一番緊張した」と話す瀬戸康史(こうじ)さん=2015年10月8日、東京都新宿区(寺河内美奈撮影)【拡大】
演じる海里は自由を愛する若者だが、第一王位継承者としての立場も自覚。その姿は3人兄妹の長男である自分とだぶる。「『お兄さんなんだから我慢しなさい』といわれてきた。嫌なことや悩みを誰にも相談せず自分で解決する。だから海里が自分の本当の気持ちを胸にしまって、バカなことをするのはよく分かる。役が腑に落ちている」
座長として周囲にも気を配る。同じ事務所の後輩で弟役の宮崎とは「ご飯に一緒に行き、悩みを聞いて僕の意見を伝えた。共演者、スタッフとも結束力は固く、みんなで一つの舞台を作っている感じがする」。
俳優は「天職」
今年でデビュー10周年、2月に東京で出演した舞台「マーキュリー・ファー」が転機となった。英フィリップ・リドリーによる、極限状態に置かれた人間の残虐な行為が描かれた問題作。演出の白井晃には「演劇だけど演じるな」と指導された。「段取りやせりふを自分のものとするという意味だった。いろんな意味で鍛えられ、その経験が今回も生きている」