力強いフォルムで躍動感あふれる盆栽と、現代の琳派の呼び声高いロックな壁画絵師、キーヤンの襖絵が競い合う。およそ植物園とは思えない空間が広がる=2015年10月10日、兵庫県淡路市の兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」(田中幸美撮影)【拡大】
襖絵の前には、独特のフォルムで存在感を主張する真柏(しんぱく)の盆栽。さらに、コケを盛って山のようにした植栽などが並ぶが、絶妙に調和していて違和感はない。植物園というよりは、緑を使ったモダンでポップなアート空間といった雰囲気だ。
大胆なデザインと金や銀を配した派手な色合い、人を引き付ける装飾性などからキーヤンは「現代の琳派」「現代の俵屋宗達(たわらやそうたつ)(琳派を代表する絵師)」などと称される。枠からダイナミックにはみ出した盆栽もどこか琳派の雰囲気を醸し出していた。
≪キーヤンの躍動感、モダンガーデンに迫力≫
グリーンアート展を記念して、キーヤンと「奇跡の星の植物館」プロデューサーの辻本智子さんとのトークショーが行われ、2人の歯にきぬ着せぬトークが会場を笑いの渦に包んだ。
植物館は日本を代表する建築家、安藤忠雄さんの設計。キーヤンは昨年、「花がある場所に花を描いたら暑苦しいので、このあたりの里山に出てくる生き物を描こうと思った」といい、シカやイノシシ、フクロウやタヌキなどを植物館の壁面に描いた。