自民、公明両党は29日、消費税率10%への引き上げと同時に導入する軽減税率の制度設計に向けた与党協議を開催した。制度の導入で目減りする税収の穴埋め財源について、両党で合意した医療・介護の低所得者対策の見送りに伴う約4000億円以外の安定財源の捻出は困難だと財務省が主張した。公明党が要求する「酒類を除く飲食料品」など、幅広い品目への適用は難しい状況だ。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は、会合後の記者会見で、軽減税率の導入に伴う税収減を補うために「赤字国債(借金)に依存しないことを(両党間で)確認した」と述べた。その上で宮沢氏は、低所得者世帯の医療や介護などの自己負担を軽減する「総合合算制度」の導入見送りで生じる約4000億円の範囲内で、軽減税率を導入する考えを示した。
ただ、4000億円の財源で対象品目を選定すると、最大でも「生鮮食品」(2%の軽減税率で約3400億円規模)しか賄えない。公明党が推す「酒類を除く飲食料品」に軽減税率を適用すると、税収は財務省の想定を年1兆3000億円程度下回る。公明党は、酒類を除く飲食料品の税率を8%にした場合の税収額が独自試算では約8400億円だと指摘したが、財務省は見積もりを変えなかった。