安倍晋三首相は、自民党の野田毅(たけし)税制調査会長を交代させ、後任に宮沢洋一前経済産業相を充てる方針を固めた。党幹部が明らかにした。消費税増税時の軽減税率導入を強く求める公明党との与党協議が難航しており、事実上の更迭とみられる。野田氏が推した還付制度の実現は極めて困難になり、与党は軽減税率を軸に検討する見通しとなった。
これに関連して、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は12日夜のBSフジの番組で、2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げと同時に、負担軽減策として軽減税率の導入を実現すべきだとの考えを示した。
宮沢氏は連休明けにも就任し、野田氏は名誉職に近い最高顧問に就く方向で、連立政権を組む公明党に配慮した形だ。与党は今年末の2016年度税制改正大綱に10%への増税に伴う負担軽減策を盛り込むことを目指しているが、軽減税率にも税収減などの難題が多く、決着までには、なお紆余(うよ)曲折がありそうだ。
野田氏は、軽減税率は企業の事務負担が重いと慎重姿勢を崩さず公明党と対立。増税分を払い戻す財務省の還付案に関わったとされ、「たたき台」と評価していた。還付に公明党は「負担軽減が実感できない」と反対し、協議は9月25日を最後に中断していた。