総工費が膨れあがり、今年7月に白紙撤回となった新国立競技場の旧整備計画問題を検証してきた文部科学省の第三者委員会(委員長・柏木昇東大名誉教授)は24日、計画が迷走した理由について「難プロジェクトを遂行するシステム全体が脆弱(ぜいじゃく)で適切な形になっていなかった」などとする報告書をまとめた。また、適切な組織体制を整備できなかったとして、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長と下村博文(しもむら・はくぶん)文科相、土屋定之事務次官の3人に監督責任があると指摘した。
報告書は、担当者の責任の明確化と白紙撤回後の新国立の新計画に教訓を反映させるために作成。柏木委員長から報告書を手渡された下村氏は記者団に対し、25日午前に自身のほか、JSCの河野氏、土屋氏の3人の責任の取り方を発表すると説明。ただ、下村氏は「報告書で(関係者の)進退は提言されていない」とも述べた。河野氏は24日、9月末の任期満了で正式に退任することを表明。事実上の引責辞任となる。
第三者委は、下村氏や河野氏ら延べ30人以上から聞き取りをした。それらに基づく報告書では計画を白紙撤回すべきだった時期についても言及された。