設計会社から2013年8月、当初1300億円と見込まれた総工費について3000億円を超える可能性があるとの報告があり、関係者の間で総工費の削減案が検討された。報告書では13年9月に東京五輪招致が決定した後、「この削減案に基づき一度ゼロベースで見直すチャンスがあった」と指摘。13年末までの時期が白紙撤回を行う一つのタイミングだったと結論付けた。
このほかプロジェクト全体についても、最後まで一貫して状況説明ができるスポークスマンが配置されていなかったことなどにより、情報発信の透明性が図れなかったことを欠点として指摘した。
≪誰が意思決定? 工費「何とかなる」≫
JSCに当事者能力や権限がなく、文部科学省もJSCへの管理監督が不十分-。新国立問題を検証した第三者委員会が24日に公表した報告書は、国家プロジェクトに対する認識の甘さや判断の遅れに対し、意思決定ラインも不明確だったと断罪した。総工費も当初から「上限」を定めないまま変遷の一途をたどり、「五輪・パラリンピックが招致されたことで、何とかなるのではという期待感が関係者にあった」と、東京大会が高騰の“口実”となったと結論づけた。