プライベートでは父娘のような間柄という小川絵梨子さん(右)と中嶋しゅうさん=2015年10月26日、東京都世田谷区(野村成次撮影)【拡大】
日本でも人気が高い英劇作家、マーティン・マクドナーの「スポケーンの左手」が上演される。失った左手を27年間、捜し続ける男を軸に、社会になじめない人々が織りなすブラックコメディー。新進気鋭の演出家、小川絵梨子(37)が作品にほれ込み翻訳と演出を担当、片腕の男には中嶋しゅう(67)を起用。2人は「人間の悲しさと面白さを描き、弱者への温かい目線がある作品」と話す。
懸命に生きる弱者描く
失った左手を捜し続けるカーマイケル(中嶋)は、米国の小都市スポケーンを訪れる。宿泊先のホテルにマリリン(蒼井優)とトビー(岡本健一)の詐欺師カップルが、「左手を持っている」と売りに来る。フロント係のマーヴィン(成河)は3人の対立をけしかける。2010年に米ブロードウェーで、クリストファー・ウォーケン主演で上演された。
マクドナーの作品は、日本でもたびたび上演され、毒のある乾いた笑いと暴力的な描写、展開の早さが特徴。これまで「ピローマン」「ロンサム・ウェスト」を手がけた小川は、その魅力について「独特で現代的な感覚の笑い。タブーを破るかどうか、スレスレの部分を行ったり来たりする」と、物語性とエンターテインメント性のバランスの良さを語る。