こうした地下モスクはモレンベークには複数あり、過激派への洗脳の場であるとともに、実行犯の隠れ家であると指摘されている。
かつて、そうした地下モスクの存在が明らかになり、反対住民の署名運動が起きて撤去されたこともあるという。「でもそうしたところに通う連中の結束は強い。表に出るのはわずかだろう」と近くに住む男性(48)は話す。
夕方過ぎると表情一変
「ここがテロの巣窟とは心外な表現だ。みんな平和に暮らしている」
50年近くモレンベーク地区に住むタリス・カリファさん(82)は、この地を愛してやまない。テロリストたちは「一部の鼻つまみ者だ」と断ずる。
だが、穏やかな街の表情も、夕方を過ぎると一変する。どこからともなく、目つきの悪い男たちが街灯の下に集い始める。多くは移民風だ。「情報を買わないか」と、記者に近づいてきたのは前歯がすべてない視線の定まらない男だった。
この地区のやや北にパリの同時多発テロで自爆して死亡したブラヒム・アブデスラム容疑者(31)が経営していたバーがある。