ブラヒム容疑者が営んでいたバーは、れんが造りで窓も広く、ヨーロッパのどこにでもありそうな雰囲気だ。だが夜な夜な店では、麻薬取引が繰り返されていたといい、市当局が閉鎖を命じていた。
「本来飲酒できないイスラム教徒が、酒を出すバーを営業するなんて信じられないだろ」。近くに住むモロッコ系移民のモハメドさん(59)は憤った。
取材では逃亡中の容疑者の知り合いという男性にも接触できたが「友達なんだ。聞かないでくれ」と叫び、そのまま立ち去った。
一帯で最大のモスク「アヌワール・シャバブ・モスク」を管理するラグワジさん(62)は「3年ほど前からシリアに行く、と言っていなくなる若者の存在は知ってる」と話し、苦しげに続けた。「この地区すべてがテロリストではない。社会に害悪をもたらす人はムスリム(イスラム教徒)ではない。このことは分かってほしい」(ブリュッセル 森浩/SANKEI EXPRESS)