賜杯を手に笑顔の日馬富士(はるまふじ)=2015年11月22日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(榎本雅弘撮影)【拡大】
今年の夏場所後。古傷の右肘を手術した際「僕はお相撲さんだから、けがは稽古で治します」と言い張り、担当医らの制止を振り切って稽古場へ戻ってきた。133キロと幕内最軽量ながら、最高位まで上り詰められたのは、猛稽古とそれを支える気持ちの強さがあったからだ。
肘だけでなく、足首や膝に痛みを抱え、今場所中には右目周辺も負傷。それでも最後まで戦い抜いた。師匠で審判部長を務める伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は初めて土俵上で優勝旗を日馬富士へ手渡し「ずっと待っていた」と目を細める。
日馬富士は「本当に耐えて忍んで毎日努力してきた。この日が来て良かった」と言う。けがのため最近は飲酒を控えてきたが、待望の復活優勝を果たし「おいしい酒を久しぶりに飲みたい」と笑った。(藤原翔