栃煌山(とちおうざん、手前)に2度目の猫だましを繰り出す白鵬。寄り切りで下す=2015年11月17日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(共同)【拡大】
大相撲九州場所10日目は17日、福岡国際センターで行われ、横綱白鵬は関脇栃煌山(とちおうざん)に奇策の猫だましを繰り出し、寄り切りで全勝を守った。横綱日馬富士は大関琴奨菊(ことしょうぎく)を上手出し投げで退け、ただ一人1敗で追走する。大関稀勢の里(きせのさと)、平幕の松鳳山(しょうほうざん)と高安(たかやす)は、いずれも2敗に後退した。横綱鶴竜(かくりゅう)は大関豪栄道に寄り切られ4敗目。
横綱に挑戦する力士はいかなる思いを胸に土俵へ上がるのだろう。いわば晴れの舞台だ。相手は史上最多35度優勝の白鵬。自らの持てる力を出し切ることだけに神経を集中させるのは当然だ。そんな意気はあっさりかわされた。
立ち合い。持ち前の馬力にかけて突進した栃煌山の顔の前で、白鵬はパチンと両手をたたく。まさかの奇襲「猫だまし」。さらに左に動き圧力を避け、残されて再び向かってきたところへもう一度パチン。虚を突かれた相手を右四つに組み止め、最後は寄り切った。