栃煌山(とちおうざん、手前)に2度目の猫だましを繰り出す白鵬。寄り切りで下す=2015年11月17日、福岡県福岡市博多区の福岡国際センター(共同)【拡大】
2度繰り出したまさかの戦法に、北の湖理事長(元横綱)は苦虫をかみつぶしたような表情だ。「やられる方もやられる方だが、やる方もやる方。稽古場でふざけてやるのならいいが、全然見本じゃない。横綱だから負けていたら笑いものだった」。綱を張る人が用いる策ではない。
取組後、報道陣から理事長の批判を伝え聞いた白鵬は「変な質問だな」とどこ吹く風。「とっさではない。勝ちにつながったので、うまく行ったことにしましょう」と得意げに語った。
いつやろうと思ったのかについては「想像にお任せします」。自身の取組前に優勝を争う稀勢の里ら1敗力士が次々と星を落とし、心に余裕が生まれたのだろうか。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)