敷地内にある公衆トイレで爆発が起き、消防隊員や警察官で騒然とする靖国神社の南門=2015年11月23日、東京都千代田区(共同)【拡大】
「背景や動機はまだ見えないが、靖国神社で爆発物事件が起きたショックは大きい」。捜査関係者は焦りをにじませる。戦没者がまつられ、首相や閣僚の参拝をめぐって国内外で注目される靖国神社。警視庁は普段から警備などに注意を払うが、その隙間を突くように事件は起きた。
今年、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がシリアで日本人人質2人を殺害したと公表したうえ、日本を「標的」と名指しした。海外では無差別殺傷事件が続発。サミットや5年後の東京五輪・パラリンピックを控える日本も、テロやゲリラの標的となる危険性が指摘されている。
こうした中、警察当局は政府関係施設や交通機関など、重要性の高い場所で警戒を強化。一方で、パリ同時多発テロで標的となったような警備の緩やかな「ソフトターゲット」を守るのは難しく、警備上の焦点となっている。
国際テロリズムに詳しい公共政策調査会の板橋功氏は靖国神社について、高い政治性を有する実態とともに、多くの一般参拝客がいることから「ソフトターゲットとハードターゲットのはざまにある」と分析。「今回のような事件が常に起こりうる場所。当然のように警戒していたはずだが、油断はなかったのか」と首をかしげる。