しかし、インターネットの人気サイトのアンケートを見ると、この白鵬の猫だましを「問題ない」とした人の方が多い。正直、意外な感じがした。テレビでも街の人に聞いていたが、「反則じゃないならやってもいいのでは」との声が少なくなかった。相撲好きの知人に愚痴ると、「相撲ってものを知らない人が多いんじゃないか」と首をかしげた。
急逝した翌21日、14日目の九州場所が行われている福岡国際センターに、北の湖の遺体を乗せた車が寄った。親方衆や力士、ファンが手を合わせ、頭を下げた。館内では、ちょうど白鵬が土俵入りをしていた。
NHKのテレビ中継には千代の富士が解説で出演していた。途中、昭和56年に関脇だった千代の富士が横綱北の湖を上手出し投げで破って初優勝したときの取組のVTRが流れ、千代の富士は目を真っ赤にしていた。大一番の瞬間視聴率は65.3%といわれる。
相撲は、強さと強さの真っ向勝負を披露してきた。国民もそれを堪能してきて目は肥えているはずだ。強かった大横綱が逝った今、“本当の強さ”は残ってほしい。(小川記代子/SANKEI EXPRESS)