毎年撮影に訪れる海の一つにオーストラリアのパースがある。西オーストラリア州の州都だ。パースの海の玄関口、フリーマントル沖にある無人島、カナック島。ここに生息しているのは、オーストラリアアシカたち。
しかも、すべて雄。なぜ雄しかいないのかは、研究者の間でも謎のままだ。では、まったく子孫を作るための繁殖行動をしないのかというと、そういうわけではないらしい。17カ月周期で、雌のコロニーがある北部のジュリアンベイという海域まで、300キロの距離を移動する。3カ月ほどそこに滞在して、またこの雄ばかりのコロニーに戻ってくるのだそうだ。
なぜ17カ月周期かということも、謎のままなのだとか。オーストラリアアシカが、皆同じような生活をしているのかというと、そういうわけではない。ちゃんと他のアシカと同じように、1頭の雄が数頭の雌や子供たちを従えて、ハーレムを作って生活しているエリアもあるという。そういう雄たちは、「ブル」と呼ばれ、雌や子供を守るために、ハーレムに近づく他の雄や人間に対しては威嚇的かつ攻撃的になる。