インドのナレンドラ・モディ首相(左から2人目)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相。席上、南シナ海情勢だけでなく、東シナ海問題にも言及した=2015年11月21日、マレーシア・首都クアラルンプール(共同)【拡大】
「東シナ海では中国公船による領海侵入と一方的な資源開発が継続している。中国海軍艦艇が尖閣諸島周辺海域に接近する事案も発生している。エスカレーションを懸念する」
東アジア地域の不安定要因となっている東シナ海問題についても議論した。南シナ海情勢ほどの中国の軍事的進出はないものの、何かの拍子で「第三次世界大戦の引き金になりかねない」(元米国防総省幹部)ことが懸念されているからだ。
このため、積極的平和主義の下、安倍首相は「地域紛争を未然に防ごうと取り組んでいる」(外交筋)という。漁民に扮(ふん)した中国兵や揚陸艦などによって尖閣諸島が不法占拠される“最悪のシナリオ”も想定しての「中国覇権抑止に向けた外交」(前述の外交筋)だ。
日本政府は自衛隊による南西防衛体制の強化を進めているが、最悪のシナリオが起きた場合はどうか-。「中国の奇襲に対して奪還作戦で領土を取り戻したとしても、その後は平和的に事態を収拾しなければ、より大きな争いになる」と政府筋は指摘する。