ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相。北方領土交渉は一筋縄ではいかない=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)【拡大】
安倍晋三首相が政権の重要施策として掲げる北方領土の帰属問題の解決だが、ロシアとの交渉は難航を極める。プーチン大統領と関係を築いてきた首相にとって、ロシアがウクライナやシリア情勢で欧米と激しく対立していることが領土交渉にブレーキをかけていることは明白だ。首相が展開する「闇夜に針の穴をさすような対露外交」(政府筋)が成就するかは予断を許さない。
鍵握る首脳外交
「ソ連が第2次世界大戦の末期に北方領土を占拠してから70年近くも不法占拠を続けている。日本はそういう国と領土問題の交渉している」
外務省幹部は北方領土交渉の難しさをこう例える。一筋縄の外交手段では、帰属問題の解決はまったく見通せない。
この幹部はロシアついて、「国際法を無視してウクライナ南部のクリミア半島を併合し、国際社会の圧力を受けても態度を変化させることはない」とも指摘する。ロシアは、米国や欧州連合(EU)の圧力に屈せず、核ミサイル大国である自国の武力をちらつかせる強硬姿勢も普通に行う。