ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相。北方領土交渉は一筋縄ではいかない=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)【拡大】
そのロシアにおいて、「領土問題で判断を下せる唯一の人物」(交渉筋)がプーチン氏だ。首相はプーチン氏と良好な関係を構築し、第2次安倍政権発足から8回の首脳会談を重ねている。両首脳間では、一度はプーチン氏の年内来日を実現することで合意している。
日本政府は、プーチン氏の来日に関し、「北方領土について具体的な交渉での進展が前提だ」(外交筋)として水面下の交渉を進めている。
経済低迷で日本からの民間投資や技術移転を臨むロシア側に対し、日本は経済協力を呼び水に領土交渉での譲歩を引き出したい考えだ。
シリア問題で欧米横やり
しかし、その交渉にも新たな障害が生まれた。首脳外交によって動き出した領土交渉に急ブレーキをかけたウクライナ問題とは別に、シリアで米国などがアサド政権に代わる勢力として支援してきた穏健派の活動地域にもロシアが空爆しているとれ、欧米との対立がさらに深まっているからだ。
政府高官によると、「米国からプーチン大統領と交渉するタイミングではない」と強い横やりが入っているという。