インドのナレンドラ・モディ首相(左から2人目)と会談する安倍晋三(しんぞう)首相。席上、南シナ海情勢だけでなく、東シナ海問題にも言及した=2015年11月21日、マレーシア・首都クアラルンプール(共同)【拡大】
国際世論を武器に
この時に、最も大きな効力を発揮するのが国際世論や外圧だとされる。
東西冷戦の影が今も残る国連体制では、国際法を無視する中国が一時的に制圧した尖閣諸島の領有権や武力行使について、常任理事国として正当化することは容易に想像される。
この中国に対し、世界各国が南シナ海問題と同じように「一方的な現状変更はすべきではない」「法の支配」などを連呼し、連携して自制を促し、和平協議の場に引きずり出すことが日本にとって重要になる。
中国が不法占拠に乗り出す前に尖閣諸島周辺で軍事的緊張を高める行動を起した場合も、国際世論が中国の動きを非難し、自制を求めることができる。
ある元自衛隊幹部は安倍外交を「武力による争いをせず、国を守る」と評価する。
日本国内には安全保障関連法に対する疑心が根強く残っている。しかし、海外の多くの首脳からは、安保関連法そのものだけでなく、安倍政権の積極的平和主義に基づく外交についても、支持を得ているのが偽りのない事実だ。
ある首脳は「今や国際テロ、他国からの攻撃を一国だけで防ぐことは困難だ。国・地域の平和と安定に向けたギブ・アンド・テークの協力が必要だと認識している」と述べ、安倍首相を支持し、日本との協力関係を強化する考えを伝えてきている。(政治部 坂本一之/SANKEI EXPRESS)