潮目が変わった。国際政治にもそんな言葉があてはまる瞬間がある。
パリで同時多発テロが発生し、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が犯行を認める声明を出した。その数日後の11月17日、ロシア政府が、10月末にエジプト・シナイ半島で露旅客機が墜落したのは爆弾によるテロが原因だったと断定し、イスラム国への攻撃を強化する方針を示したのだ。
プーチン露政権は9月、イスラム国掃討を名目にシリア空爆に踏み切った。欧米などの有志連合と決定的に違うのは動機だ。ロシアはアサド政権継続を求め、米仏などとは相いれない立場だ。その上、自分たちが訓練した反体制派なども攻撃したとして、米国などがロシアを批判していた。
ところが、露旅客機墜落がイスラム国によるテロだったとなると、フランスとロシアは同じテロ組織に多数の国民の命を無差別に奪われた“同志”という構図になる。オランド仏大統領が右手でオバマ米大統領と握手し、左手でプーチン露大統領と握手するようなものだ。