アサド政権をめぐる対立はひとまず横に置き、打倒イスラム国で団結しようという雰囲気で、ロシアにすれば欧米諸国に肩を並べる国際社会のプレーヤーという地位を久しぶりにアピールできるチャンスとなるはずだった。
しかし、この後さらに、潮目が変わるニュースが飛び込んできた。11月24日、トルコが領空を侵犯したとして、ロシア軍機を撃墜したのだ。プーチン政権にとっては、パリのテロを受けて自国の旅客機がテロで墜落したと発表したところまでは計算尽くだったかもしれない。しかし、トルコによる撃墜は予想外だったはずだ。
ソ連時代には、「クレムリノロジー」という言葉があった。政府機関がモスクワのクレムリンにあったことから派生し、秘密に包まれた政治決定のメカニズムなどを観察・分析することを指す。
現代のロシアで言えば、「プーチノロジー」というところか。猫の目のように変わる国際情勢の中、ロシアは次にどう出るのか。それを読み解くために、強大な権限を握るプーチン氏の思考回路や行動様式の分析がますます欠かせなくなってきた。(佐藤貴生/SANKEI EXPRESS)