厚生労働省は「部署全体のストレスチェックの結果をまとめて分析、比較すれば、高ストレス者が多い部署が分かり、環境改善につなげることができる」と、制度が職場全体にとっても有意義であると強調する。
不利益恐れ面接拒否も
しかし、課題もある。医師の面接を受けたことやその結果を理由として、会社が解雇や不当な配置転換などを行うことは禁止されているが、不利益な取り扱いを恐れて従業員が面接を受けないことが考えられる。
また、質問票や面接で、医師が正しく従業員のストレスの状態を把握できるかも未知数だ。
東邦大医療センター佐倉病院の黒木宣夫教授(精神神経医学)は「厚労省は面接は会社のことをよく知っている産業医が行うことが望ましいとしているが、産業医には精神科医が少ない。産業医がメンタルヘルスを学ぶことが必要だ」と指摘している。
ストレスチェックの義務化に合わせ、企業では従業員のメンタルヘルスの不調を未然に防ぐ取り組みが広がる。ただ、目立つ取り組みは大企業が中心だ。他の制度変更に伴う対応に追われる中小企業では“様子見ムード”も広がる。