来年1月から運用が始まるマイナンバー制度は、番号通知カードの配達の段階でつまずき、マイナスのイメージだけが先行している。消費税増税時の軽減税率案として、財務省は増税分の一部を消費者に払い戻す「還付制度」を与党に提示したが、買い物の度にマイナンバーカードをかざすわずらわしさなどに批判が集中し撤回した。
財務省が提示する施策は分かりにくく、夢がない。大和田教授の案とセットで国民に提案していたら、もっと違った展開になっていたのではないか。
マイナンバーを導入することで税や年金、社会保障、医療などのさまざまな個人情報が「マイナポータル」としてまとめることができ、その情報を自分で管理できる。誰が自分の情報にアクセスしたかも調べられる。大和田教授や柴崎教授らのアイデアとの親和性が高いことは容易に想像できる。
急速なデジタル革命の時代。「顧客が受け取る価値(利益)の最大化をめざし、その価値の分け前を売り上げとしてシェアする」(三菱総研)という考え方がこれからの時代を生き抜くビジネスモデルだそうだ。役所に求められる思考も同じはずである。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)