取材時も、自然に気配りをしてくれる賢明な女性だったが、2年ぶりに見たその顔はさらに輝いていた。「お給料から引かれる社会保険料に、私も誰かを支えているのかなと思います。高いなとも思いますけど(笑)」
皆が残業する中、切り上げて早く帰るのは心苦しい。でも、ここで無理して倒れては元も子もないと、勇気を出して退社する。部署内の同僚に病気のことを“カミングアウト”したら、一気に働きやすくなったという。
「世の中はがむしゃらに働ける人だけじゃない。一時的に働けない人も、少しの時間しか働けない人もいる」
病気、介護、子育てなどさまざまな事情を抱えながら働く人は増えている。特に事情もないのに仕事をさぼりたくなる私のようなダメ社員もいるが、短時間でも熱心に働く人の姿は刺激になる。入社して15年、加藤さんの笑顔に、働ける幸せを今一度、かみしめた。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS)