女性ロック史上、最も影響を与えたシンガーといえば、ジャニス・ジョプリンの名前が挙がることが多い。しかし、存命するロックシンガーかつシンガー・ソングライターでいえば、アラニス・モリセットの右に出る人はいないだろう。彼女は地元カナダでアイドル扱いをされるのを嫌い、単身でロサンゼルスへ移住。1995年6月に、マドンナの立ち上げたレーベルからアルバム「ジャグド・リトル・ピル」で世界デビューを果たす。
歌にぶつける本心
恋人に振られた怒りを歌に込めたデビュー曲「ユー・オウタ・ノウ」が大ヒットした際には、この21歳の女性による元カレに対する辛辣(しんらつ)なほどの遠慮ない歌いっぷりに世の女性が歓喜し、圧倒的な歌唱力も、それこそ“ジャニスの再来”といわれた。加えて人生に対する機知に富んだ歌も魅力にあふれ、「ハンド・イン・マイ・ポケット」「アイロニック」「ユー・ラーン」「ヘッド・オーバー・フィート」と立て続けに曲をヒットチャートへ送り込み、同郷カナダ出身のジョニ・ミッチェルを引き合いに出されるほどソングライターとしても評価された。結果、アルバムは全世界で3300万枚以上もセールスし、第38回グラミー賞では年間最優秀アルバム賞ほか4部門を受賞。今現在でも、これまでで最も売れたアルバムTOP15に入っている。