ブルガリア系ドイツ人で、日常会話レベルでは7カ国語を話す。「他の言語に身を投じることで、まるで地震にでもあったかのように足元が揺らぎます。言いたいことも満足に言えないし。でも、そういう状況に自らを置くことで、常に学びがある」
現在は五輪の全競技種目を、訪れた国で経験するというプロジェクトに取り組んでいる。来日中は柔道に挑戦した。「冒険者だって? 自分では普通のつもりなんだけれどね(笑)」。不可能を可能に。作家の冒険は続く。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■Ilija Trojanow 1965年、ブルガリア・ソフィア生まれ。71年に政治亡命を果たした両親とともに、ドイツに移住。父の仕事の都合で少年時代をケニアで過ごす。ミュンヘン大学を卒業後、89年にアフリカ文学専門の出版社を興す。96年に初の長編小説を発表。2006年に発表した本書は、ライプツィヒ・ブックフェア賞を受賞するなど高い評価を受けた。
「世界収集家」(イリヤ・トロヤノフ著、浅井晶子訳/早川書房、3780円)