台湾有事の際、米軍の最前線基地となる沖縄県の嘉手納基地。米ランド研究所の米中戦力分析では、緒戦の中国のミサイル攻撃で基地は一旦閉鎖を余儀なくされるという=2015年5月2日、沖縄県中頭郡嘉手納町(門井聡撮影)【拡大】
話を元帥のメッセージに戻す。朝鮮戦争勃発2カ月後の1950年8月、《米国海外戦争復員兵協会》の総会に伴い、東京発で打電したメッセージに《台湾=不沈空母》なる表現が含まれていた。
いわく-
《第二次世界大戦で、米国の戦略的前線は米本土や(ハワイなど)飛び地を離れ、フィリピンへと一挙に前進。太平洋全域が米国という城を守る堀に成った。アリューシャン~マリアナ列島線を軍事確保していれば、アジアで自由主義国を占領せんともくろむソ連・中共陣営の奇襲攻撃は有り得ぬ。しかし、列島線を失えば戦争は不可避だ》
台湾有事で来援する?米空母打撃群を迎え撃つ、PLAの防衛線《第一・二列島線》に一部だぶる戦略概念だが、運転ミスとも関係する。50年1月、ディーン・アチソン米国務長官(1893~1971年)は「西太平洋における防衛線はアリューシャン~日本列島~沖縄に至る線だ」と発言し、韓国は防衛圏外との間違ったシグナルをソ連や北朝鮮、中国に送り、朝鮮戦争を引き起こす一因となった。元帥のメッセージは続く。