【本の話をしよう】
『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞を受賞した俊英、早見和真さん(38)。注目の受賞後第1作『95 キュウゴー』は、激動の1995年の渋谷を舞台にした青春エンターテインメントだ。ほとばしる熱気で、「あのころ」を描き切った。
直面した「死」と「怒り」
阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件…。「1995年」は、ある程度の年齢以上の人間にとって、特別な響きを持つだろう。「ずっと書かなければいけないと思っていた。それが『95年』でした」
横浜市内の高校に通っていた。3月20日。地下鉄サリン事件が発生した。「電車が止まって、来ていない同級生も多かった。『あいつが死んだらしい』『国会議事堂が爆発したらしい』なんてデマも流れて…。初めて『死』に直面した。今、普通に生きている日常は、ある日突然『日常』ではなくなるんだと」