連載当時は「95年の空気を伝えることにこだわりすぎて、秋久が単なるカメラでしかなかった」というが、改稿を経て、疾走感あふれる青春小説に生まれ変わった。「これは秋久と仲間たちの友情の物語なんだ、と気づいてからは突っ走れた」
作中、何度も秋久たちは叫ぶ。「カッコわるい大人にはなりたくない」
ところで、カッコいいって?
「戦っている人。37歳の秋久たちは、それぞれの生活を生きているけれど、卑屈になってしまったヤツは誰もいない。自分はどうかって? 今が一番戦ってますよ」
戦っているか-? 「95」が、問いかける。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■はやみ・かずまさ 1977年、神奈川県生まれ。2008年『ひゃくはち』で作家デビュー。この作品は、映画化、コミック化されベストセラーに。14年、『ぼくたちの家族』が映画化。15年『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。
「95」(早見和真著/KADOKAWA、1600円+税)