龍神は雨をつかさどるため、龍のもつ「宝珠」(龍珠)も、その強大な力が宿るものとして信仰の対象となった。祈雨の場所としても名高い奈良・室生寺に伝わる重要文化財「春日龍珠箱」(14世紀)は、龍の宝珠を入れる二重の箱。箱の表、裏に絵が描かれ、そのうち内箱の蓋裏には、鬼と若者の姿をした「八龍神」が美しい色彩で描かれている。
展示物は約160点。とても紹介しきれないが、見れば見るほど「水」は私たちの生活の隅々まで流れ込んで、私たちの精神文化そのものを育んできたことを思い知る。展覧会を機会に、自分が住んでいる地域の中で、水にまつわる歴史や伝説、遺物をさがしてみるのも楽しいかもしれない。(原圭介/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■「水-神秘のかたち」 2月7日まで、サントリー美術館(東京都港区赤坂9の7の4、東京ミッドタウン ガレリア3階)。一般1300円。火曜休館。(電)03・3479・8600。4月9日から龍谷大学龍谷ミュージアムに巡回。