コンセプト重視
一方、アレンジを担当する土器大洋(どき・たいよう)は、洋楽に強く影響を受けて育ったといい、こちらも発想が豊かだ。牧野が曲のネタを思いついたとき、そのイメージをうまくくみ取りながら、ギターやシーケンサーなどを駆使して楽曲の骨組みから装飾までをパソコンで作り上げる。そして、アレンジしながらバンドメンバーと仕上げていく。ちょっとした音にも徹底的にこだわり、生演奏とデジタルサウンド、そこに日常の音を拾ったフィールドレコーディングも心地良く調理したセンスは、まさに新世代感覚と言っていいだろう。
LILI LIMITは、自主制作盤のころから、コンセプト重視でデザインにも凝ってきた。全国流通盤を出すようになった今も、考えは変わらない。「#apieceofcake」について、牧野は次のように説明する。
「音楽には、提示したものに対して一人一人の意見があるということで、“一片のケーキ”というタイトルにしてみました。それにハッシュタグを付けることによって、SNSで共有できるじゃないですか。共有という部分を含め、一つのケーキになればいいな、という感じで決めました。しかも、『a piece of cake』には“楽勝”“朝飯前”といった、ちょっと挑発的な意味もあり、そこもいいなと思ったんです」