引き落としで鶴竜(かくりゅう、右)を破った勢(いきおい)=2016年1月14日、東京都墨田区の両国国技館(共同)【拡大】
ちょうど1年前の初場所。左肩痛に悩まされ、自己最低の1勝14敗に終わった。患部にたまった血と水を抜く処置を昨夏に受け、回復。秋場所で11勝、九州場所で12勝と巻き返し、最高位の東小結で新年を迎えた。
相撲が取れない期間は四股やすり足などの基礎運動を重視。ジムへ通う回数も増えた。「いいときばかりじゃないですから。経験と思って腐らずにやってきた」と苦節の日々を振り返る。
地道な修業の成果が本場所で出つつある。立ち合いに鋭さが増したのは下半身強化のおかげ。八角(はっかく)理事長(元横綱北勝海(ほくとうみ))は「圧力勝ち」と賛辞を送り、勢も「立ち合いで当たれて2歩押し込むことができたから」と自賛の声を響かせる。
すらりとした長身で玄人はだしの“美声”を誇る29歳は人気者。土俵内での存在感発揮に、連日浴びる横綱、大関級の歓声はいっそう強まりそうだ。(SANKEI EXPRESS)