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【佐藤優の地球を斬る】「わが闘争」にみる無理論の強さ (2/3ページ)

2016.1.16 16:00

1月8日、ヒトラーの著書「わが闘争」を再出版した「現代史研究所」の記者会見=2016年、ドイツ・バイエルン州ミュンヘン(共同)

1月8日、ヒトラーの著書「わが闘争」を再出版した「現代史研究所」の記者会見=2016年、ドイツ・バイエルン州ミュンヘン(共同)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 <ドイツの歴史研究機関「現代史研究所」(南部バイエルン州ミュンヘン)は14日までに、原文に批判的な注釈などを加えて再出版したナチスの独裁者ヒトラーの著書「わが闘争」の増刷を決めた。発行部数4000部に対し約1万5000部の注文が殺到し、売り切れ状態となったためだ。

 「わが闘争」はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)で知られるナチスのイデオロギーの柱になった著書。第2次大戦後は事実上出版が禁じられてきただけに一部のユダヤ系団体からは発売が社会に与える影響を懸念する声が上がっていた。8日に販売開始されたが、直後から入手困難に。

 価格は59ユーロ(約7500円)だが、ドイツのメディアによるとインターネット通販大手アマゾン・コムで一時375ユーロ、ネット競売大手イーベイで276ユーロになった。

 現代史研究所は「需要に対応するため増刷を発注した」としている。>(1月15日「産経ニュース」)

 初刷りの発行部数が、4000部であるのは、あまりにも少ない。電子版を出版すれば、品不足の問題は、直ちに解決する。商業主義的観点からは、そうするはずだが、出版社はそうしない。『わが闘争』が社会に広がることを、ドイツ社会が恐れていることの証左だ。

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