日本ではあまり関心が持たれていないが、国際社会の構造に影響を与える可能性のある大きな出来事が11月末に起きた。11月27日、イスラエル政府筋が、イスラエルが近くアラブ首長国連邦に「代表部」を設置するという情報を流し、「ハーレツ」(イスラエルの日刊紙)、CNNなどによって報じられた。
<イスラエル外務省は、代表部の事務所はアブダビの国際エネルギー機関の一角に設置されると述べた。イスラエルは過去に湾岸諸国に代表部を設置したことがあるが、公式の外交関係は樹立しなかった。(中略)イスラエル外務省のエマニュエル・ナーション報道官は、「ハーレツ」紙の報道の内容を確認し、「代表部はイスラエルが加盟している国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によって受け入れられる」と述べた。〉
過去に外交なし
イスラエルがアラブ諸国で外交関係を持っているのはエジプトとヨルダンだけだ。アラブ首長国連邦は、過去にイスラエルと外交関係を持ったことは一度もない。1996年にイスラエルは、オマーンとカタールに貿易代表部を設置したことがある。