大型バス事業から撤退する方針を表明するバス運行会社「イーエスピー」の高橋美作(みさく)社長=2016年1月17日午後、東京都羽村市(共同)【拡大】
長野県軽井沢町で14人が死亡する事故を起こしたバス運行会社「イーエスピー」(東京)が、国の基準よりも低い料金でバス運行を受注したケースが、事故のスキーツアー以外に少なくとも1件あったことが17日、国土交通省への取材で分かった。国交省はイーエスピーの全契約を調べ、ほかにも基準違反がないか確認する。
健康診断を虚偽報告
イーエスピーは昨年、実際には実施していない運転手の健康診断を「実施した」と国交省に虚偽報告していたことも判明。当時の未受診者には、事故を起こしたバスの運転手2人のうち1人も含まれていたとみられる。
国交省は、いずれも道路運送法違反に当たり、安全のためのルールが軽視されていることを重くみて行政処分を検討。長野県警も、道交法の使用者義務違反などの疑いがあるとみて調べる。